痴漢が6割減!
防犯カメラの威力とは

 果たして、防犯カメラは本当に痴漢防止に役立つのだろうか?特に、混雑時にもちゃんと撮影できるのかどうかをいぶかしむ向きは多いが、2009年の埼京線への防犯カメラ試験設置の事例では、痴漢の発生件数が前年同月比で6割減少したとされている。設置車両には「防犯カメラ作動中」のステッカーが掲出され、利用者に録画していることを告知するとともに、「見せる警備」として抑止力を発揮している。

 期待できる効果は抑止力だけではない。防犯カメラが事件解決に貢献した事例もある。昨年7月下旬に埼京線内で男4人が女性を取り囲み集団痴漢を行った事件では、防犯カメラの映像から犯人が特定され、逮捕に至っている。

 実際に導入されている防犯カメラの詳細な性能や実際の録画画像は公表されていないが、2010年に警察庁が実際の鉄道車両にカメラを設置して、最大200%の混雑率を再現するエキストラを配置して実験を行った。報告書は、両側の扉付近に超広角カメラを設置することで「扉付近で近接撮影でき、人物の顔、動きが判断できる。対向で設置することで、混雑時に両側からカバーできる」と評価している。

 これは今回、JR東日本が既存車両に追加設置すると発表した防犯カメラと同じ設置位置にあたり、カメラの画質向上も加味すれば、ある程度の効果が期待できると考えられる。

 録画データは、駅に設置された防犯カメラと同様に関係法令や社内規定に従って厳重に管理され、捜査機関から要請があった場合に限って外部に提供されるという。保存期間は1週間ほどで、順次上書きされる。

 整備対象路線では今後、順次防犯カメラの設置が進んでいくが、当面は設置車両と未設置車両が混在して運行されることになる。また設置完了後であっても、他社から乗り入れてくる車両には防犯カメラが設置されていない可能性がある。

 もしあなたが列車内で犯罪被害を受けたり、見かけたりした場合は、どの列車の何号車に乗っていたかが重要な手がかりとなる。列車の運行番号など専門的なことは分からなくても、何日の何時何分にどこの駅にいた列車か、行き先はどこかなどを把握しておくだけでも列車は特定でき、防犯カメラの有無も調べることが可能だ。仮に防犯カメラが設置されていない車両であっても、駅に設置されたカメラが周囲の状況を撮影していることもある。いずれにしても前述したように、録画データの保存期間も限られるため、できるだけ早く警察に相談してほしい。