「リベンジポルノ」という言葉がしきりに取り沙汰されるようになったのは2013年ごろ。「三鷹ストーカー殺人事件」が大きな注目を浴び、翌年には「リベンジポルノ被害防止法」が成立した。それでも今なおネットの波に漂う無数のポルノ画像のなかには、本人の意思と無関係に晒されているものも少なくない。リベンジポルノの最新事情を追った。(清談社 ジョージ山田)

スマホの普及によって
リベンジポルノが一気に広がった

スマホ普及でリベンジポルノが一気に増えました
リベンジポルノの加害者は、被害者が不幸になることが自分の幸せだと感じるような歪んだタイプが多い。別れた後、場合によっては数年も経ってから牙をむくケースもあるというから恐ろしい(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「3年ほど前に付き合った彼氏と、性交中に動画を撮ってしまったこと、すごく後悔しています…。当時は大好きな彼だったので『撮ろうよ』と言われて、拒めなかった。でも、別れてしまった今となっては、動画を自分の知らないところで晒されているんじゃないかと、思い出しては不安になります」

 Mさん(OL/26歳)は、卑猥な画像がネットにアップされているのを目にするたび、自分も投稿されていたらどうしよう…と不安を感じると話す。

 リベンジポルノは、別れを切り出されたことへの腹いせや復讐、復縁を迫るための脅迫材料として使われることが多い。一度、ネットにアップされれば削除が困難なこともあり、社会問題化している。

 リベンジポルノなんて自分とは関係ない、と感じている人も多いかもしれないが、「恋人の性的画像を撮影したがる者は、いまや特別な存在ではない」と、メディア学者でポルノ問題に詳しい渡辺真由子氏は言う。

「共有する時間を盛り上げたいという思いから、多くの若者がその場のノリで、ごく気軽に、恋人との親密な写真を撮影しています。もちろんガラケーの時代からリベンジポルノはありますが、スマホの登場が、よりそれを容易にしました。誰でも高画質な写真や動画を撮影でき、しかも簡単にネットに投稿できる時代になったことで、リベンジポルノに遭遇する確率は格段に上がったと言っていいでしょう」

 三鷹ストーカー殺人事件のように、恋人や好きだった人物の画像をリベンジポルノとして悪用する加害者心理は、愛情がゆがんだものだけに一層タチが悪い。そこに生じた加害者心理とはどのようなものなのか。

「リベンジポルノの加害者は、被害者が不幸になることで自分は幸福になれる、と考えていて、他者との比較に基づいてしか自分を評価できないタイプが多いです。例えば三鷹ストーカー殺人事件の加害者は、幼少期に両親が離婚し、母親からネグレクト(育児放棄)を受け、母の交際相手からは暴力を振るわれていた。このため自己感が十分に形成されず、愛情に飢え、他者に共感する能力も育たなかったと考えられます」