「W杯の裏の勝者は義烏の企業だ」

 義烏市のある関係者が、誇らしげに言った言葉が印象に残った。

 フランスチームの優勝で慌てふためいた中国企業もある。厨房器具メーカーの華帝という会社だ。この会社は今回、フランスチームのオフィシャルスポンサーで、6月1日〜7月3日の期間中に、「優勝セット」を購入した人について、「W杯ロシア大会でフランスが優勝すれば、指定商品の購入代金を全額返還する」というキャンペーンを大々的に打ったのだ。

 どうやら当初は、フランスが優勝すると想定していなかったもよう。それがまさかの優勝となったため、「返金は約束通り行う」と公式に発言しながら、約7900万元(約13億3200万円)に上る購入代金の返金は「商品券で」と変更するなど、慌てぶりが見て取れた。ただ、同社の株価が7%も上昇したのを見れば、この会社もW杯の“勝者”と言えるかもしれない。

スポンサーの半分近くを
占めた中国企業

 一方、W杯をテレビ中継で見た世界の人々は、スポンサーになっている中国企業の多さに驚いたことだろう。

 今回、W杯のスポンサーになった中国企業は、4年前の1社から、全スポンサーの半分程度を占める7社にまで増えた。これはW杯史上の新記録だ。

 マーケティング会社Zenithの調査によると、W杯の期間中、中国企業が広告にかけた金額は8億3500万ドル(約943億円)に上り、中国の広告市場の1%を占めている。全体の広告費の総計が24億ドル(約2711億円)だから、中国企業が投入した広告費は40%近くを占め、他のすべての国を抜いている。ちなみに、主催国であるロシア企業が支出した広告費用は6400万ドル(約72億円)でわずか2.1%だ。