社会的不妊を無くすことが理想
学会は医学的見地で国に働きかけを

――海外で卵子提供を受ける夫婦が増えています。

 正直、なぜ国内で堂々とやったら学会に罰せられて、海外はOKなのか理解できませんが、それは置いておいて、海外の場合、ほとんどがビジネスですよね。命、身体に関することは売買されるべきでないと私は考えています。あくまでも、提供者のボランティア精神の下で行われるべきもので、ビジネスにすることは絶対あってはならない。

 また、海外の卵子提供にまつわる昨今の大きな問題は、妻の加齢による不妊のケースが圧倒的に多いことですが、当院では、精子・卵子提供含め、夫婦間での生殖補助医療(体外受精や顕微授精)も初診時43歳未満という年齢制限を設けています。

――年齢で制限されるのですか。

 本来、生殖補助医療による不妊治療は、精子が極度に少なかったり、卵管が詰まっていたりするなど、年齢にかかわらず自然妊娠が不可能な「医学適応」での場合だけでした。

現在、日本で不妊に悩む夫婦というのは、あと10年、せめて5年早かったら自然に妊娠できていたであろうという方がかなりの割合を占めています。

 さらに、妻が高齢だと、妊娠できても流産、妊娠中や出産にトラブルが起こるケースも多くなる傾向にあります。

 そのため、当院では年齢制限をしています。しかし、現在の日本の不妊治療は、際限なく体外受精などを施している異常な状態。だから、一部で不妊治療は“ビジネス”と揶揄されてしまうのです。