ちなみに、小池都知事の2年を政策の観点から評価すると、評価できる点は多少あるものの、全体評価はかなり低くならざるを得ません。

小池都政の2年間を
吟味する「3つの視点」

 都知事選のときの小池氏の公約は細かい政策ばかりなので、それらの達成度を見ても意味がありません。それより、世界の大都市との都市間競争に勝ち、日本全体を牽引すべき立場にある東京の知事なのですから、以下の3つの軸から評価すべきです。

(1)目の前の課題であるオリンピックへの対応はできているか
(2)社会福祉の充実と行財政改革を並行して進めているか
(3)オリンピック後を見据えた東京の競争力強化に取り組んでいるか

 これらの観点から小池都知事の2年を評価すると、まず(1)については完全な落第点です。豊洲問題での混乱がいまだに尾を引き、また首都高速環状2号線の整備が間に合わないことからも、それは明らかでしょう。

 (2)についても、就任早々すぐに都知事の給与半減、都の予算での政党枠の廃止などのシンボリックな決断をしたことは高く評価できますが、それらが単発で終わってしまい、もっと大きな行財政改革に広げることはできませんでした。たとえば、膨大な数の都の役人の天下りはまだ是正されていません。

 ちなみに、(1)と(2)の観点から目玉政策にしようとした禁煙条例も、まったく評価できません。方向性こそ正しいものの、国の法律(都条例より緩やか)や区の条例(屋外での禁煙)との整合性をまったく無視して条例を制定したため、規制としての合理性を歪めてしまっているからです。

 その一方で、(3)については意外と高い評価を与えることができます。というのは、小池都知事は公約で“特区制度の徹底活用”と明記していますが、国家戦略特区制度の活用という点では、日本全国の自治体の中で一番頑張っているのが東京都だからです。

 国家戦略特区制度は加計学園問題で汚れ物になってしまいましたが、地域限定で規制改革を進め、その地域の競争力を高める観点からは有効な政策ツールです。それを日本の首都である東京都が最も活用していることは、小池都知事の実績として評価すべきです。