米中貿易摩擦に対する懸念が残るが
日本株の株価に割高感はない

 株式市場の割安/割高感を計る一般的な指標として、株価を一株当たり純利益で割った株価収益率(PER)があります。TOPIXの予想株価収益率は、7月19日現在13.3倍となっており、2012年以降の平均値(13.6倍)を若干ですが、下回っています。

 なお、PERは企業業績の修正度合いと合わせて考えることが重要です。企業業績が下方修正されている時は、現在のPERが過去平均を下回っていても、割安とはみなされない可能性があります。現在は、企業業績が下方修正されているわけではありませんので、PERの高低を素直に割安/割高感と結び付けてよさそうです。すなわち、現在の株式市場は割高ではないと考えることができます。

 米中貿易摩擦の拡大懸念は当面払拭されないことから、上値の重い展開が想定されますが、そうした中でも、企業業績予想に対する自信が回復すれば、もう一段の株価上昇が期待できると思われます。

 そして今後の日本株式市場は、引き続き米国の保護主義的な通商政策の影響と業績の見極めが重要となりそうです。

4-6月期決算は前年同期比1桁増益予想
非鉄金属、電気機器等への米中貿易摩擦の影響は?

 来週から日本企業の4-6月期の決算発表が本格化します。

 4月から6月にかけては、日経平均株価を構成する企業のうち、特に非鉄金属、電気機器、機械に分類される企業の株価が大きく下落しました。この背景には、米中貿易摩擦問題があります。つまり、これらの株価の下落は、貿易摩擦の影響が業績に及ぶという投資家の懸念の表れと考えられます。

 4-6月期決算では、株価の下げが目立つ非鉄金属、電気機器、機械など、とりわけ製造業の業績に注目が集まります。業績見通しを上方修正する企業はまだ少ないと思われますが、収益の進捗状況や受注動向から、前期に見られた業績改善のモメンタム(勢い)が、どの程度、維持されているかが焦点になります。主に、製造業の出遅れ銘柄の決算が、投資家の懸念を後退させる内容となれば、日経平均株価の2万3000円台定着も十分見込まれます。