それよりも、機器のサイズとか、ロボットを機能的に使える手術室だったり、周辺部分も含めて何らかの新しい価値を生み出したい。ロボットを使う手術は準備にすごく時間がかかるので、それを解消して効率の良い手術を実現するとかね。

――グローバルでの発売時期は?

 2020年くらいが目処と言っていますが、まだちょっと分かりません。

――この手術支援ロボット以外でもグーグルと手を組む可能性はあるんですか。

 あると思います。うちは整形外科分野でロボット使う手術の技術を持つ会社を買収したり、ロボットを使った手術に関わるいくつかの分野で買収や投資、共同研究をしている。極端な話、その全部がうまくいけば、最終的に全ての技術がつながっていきます。だから、それらの分野でグーグルの技術も加えてやるっていうのは考えられますよね。

 もっとも、グーグルのようなテックカンパニーは収益モデルが先にあるというよりは、問題解決の機会がどこにあるかが出発点になっている。だから他社ともいろいろ組んでいくでしょう。

――グーグルは自社で収益モデルを作るかもしれないし、他社と組むかもしれないし、J&Jともっと提携していくかもしれない。今分かることではありませんね。

 はい。うちもうちでいろいろなところと組んでいますから。

 J&Jは年間1兆円超の研究開発費を使っていて、その半分は自前のR&D(リサーチ&デベロップメント。研究開発)に、残りの半分は外部のイノベーションに当てています。これはリサーチ&デベロップメントと言うより、サーチ&デベロップメントですね。

 シリコンバレーでも最大級のベンチャー・キャピタル(VC)を自社で持ち、ものすごい金額を投資してきていますし、戦略的にフィットする有望な技術は最終的に買収することもあります。

――日本法人にも投資先などの目利き役はいるんですか。

 グローバルにイノベーションをドライブするチームがあり、そのサテライト部隊が日本にもいます。アカデミアと組むトランスレーショナルリサーチ(基礎研究の成果を実用化させる橋渡し研究)では、昨年に大阪大学、今年に東京大学、間もなく京都大学とも包括提携をして、大学発のイノベーションの種も積極的に取り込んでいきます。

――それは日本市場向けの研究開発なんですか。

 いろいろな情報が瞬時にグローバルレベルで共有される時代ですから、日本のアカデミアでどういう研究しているかは本国でも当然知っています。その点、この20年くらいですごく変わりました。いい意味で。

 かつては日本の市場は特殊だから、日本で開発をして、日本だけで売って、それでうまくいったら海外も考えようというのが多かった。でも今は最初からグローバルのマーケットを見る。「in japan, for japan」はほとんどなくなり、「in japan, for global」が基本です。

――買収を仕掛ける一方で、売却もある。グローバルでは血糖値測定器の事業を売却する計画です。日本でもこの事業が切り離されますね。