子育て支援策が遅れている
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古今東西の映画を通じて、社会保障制度の根底にある考え方や、課題などを論じていく連載「映画を見れば社会保障が丸わかり!」。第15回は、乳幼児から見た育児のドタバタを描いた1962年製作の『私は二歳』、高校生・妻・母の3役を演じることになった女性を主人公とした1970年製作の『おさな妻』という風変わりな映画を通じて、保育所の整備など子育て支援策が遅れた理由を考えます。(ニッセイ基礎研究所准主任研究員 三原 岳)

骨太方針に盛り込まれた少子化対策
政権が掲げる「全世代型社会保障」

 中長期的な経済財政運営を示すため、政府が今年6月に策定した「骨太方針2018」では、子育て支援策について、(1)3~5歳の幼児に関する保育・教育費を無償化、(2)低所得世帯の0~2歳児も無償化、(3)保育所に入れない「待機児童問題」を解消するため、2020 年度末までに32万人分の受け皿整備を進める、(4)保育士の処遇改善──などを掲げています。

 これは、昨年の総選挙で論じられた「全世代型社会保障」に通じる部分があります。安倍晋三内閣は、消費税を予定通り2019年10月に8%から10%に引き上げるとともに、その税収を少子化対策に振り向けるとしています。

 確かに新聞紙面では、「保育所に入れない待機児童が○○人」といったニュースを目にしますので、骨太方針2018が指摘している通り、まだまだ課題が多いのは事実です。