伝統の黒と赤のコーディネーションが施されたコクピットに身を置くと、自然と気分が盛り上がる。冷たい感触のメタルシフトノブは、現時点の装備としては貴重でうれしい。専用スポーツシートのサポート性は高く、ドライビングポジションはピタリと決まる。

面白いくらい曲がり
飛ばすほど強靭性が際立つ乗り心地

 320ps/40.8kg・mを発生する2リットル直4VTECターボは、マニュアルミッションでも驚くほど扱いやすい。全開にしなくても速い。気分が高まる……そんな加速フィールだ。アクセルレスポンスは素晴らしく、エンジン回転とギア比のマッチングがいい。加えてエグゾーストノートが耳に心地よい。滑らかなシフトフィールと相まって、タウンドライブでも楽しいと思わせてくれた。

 シビック・タイプRの最大の特徴は、素晴らしい乗り心地だ。以前のタイプRはサーキット走行を重視するあまり、足回りが固く、街中では落ち着いて乗れなかった。ところが新型は、固いけれども弾性が豊かで収まりのいいダンピングをみせ、実に快適だ。欧州スポーツカーの最新トレンドに沿った仕上がりだといっていい。それでいて、スポーツ領域に近づけば足元が引き締まり、面白いくらい曲がっていく。飛ばすほど強靭性が際立つ。

(CAR and DRIVER編集部 報告/西川 淳 写真/小久保昭彦)