40行が3期以上連続赤字

 ただ、体裁は取り繕ったとしても、多くの地銀には有価証券運用にブレーキをかけ切れない事情がある。その事情とは、同じく7月13日に金融庁が発表した、地銀の全般的なモニタリング結果の報告書内に端的に表れている。

 2017年度における地銀の決算を分析した結果、「過半数の54行で本業利益が赤字であり、うち12行が2期連続、40行が3期以上連続して赤字となっている」という苦境に立たされているのだ。

 その主な要因は、超低金利環境の継続や国内の人口減少などによって、地銀の本業である貸し出し業務で利ざやが右肩下がりになっていること。そこで、それに代わる収益の柱として、これまで軽視してきた有価証券運用を担ぎ出さざるを得ない状況に追い込まれているというわけだ。

 金融庁には、地銀の経営体力とリスク管理能力に見合った範囲内での有価証券運用にまでストップをかける意図はない。ただ、「有価証券運用は全て金融庁のお気に召さない」という、過度な忖度が透けて見えるような人事異動や体制変更が一部の地銀で起きている。

 こうした状況は、不慣れな上に今までよりも高い業績目標を課せられがちな地銀の運用部門を混乱に陥れ、銀行全体の収益やリスク管理の構造にもゆがみをもたらしかねない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)