免税対象になるか

 和空は、お寺が集中する大阪市天王寺区に宿坊型ホテルを開業。近隣のお寺と組んで、写経や朝の勤行などの体験を前面に打ち出す。来年以降、法隆寺など数カ所で開業し、宿坊の魅力をアピールし、市場拡大を狙っている。

 一方、自ら宿坊ビジネスに乗り出す寺も現れた。京都の仁和寺では、1泊100万円の宿坊を開業した。参拝者が減少している中、宿坊ビジネスで売り上げを補填するのが狙いだ。

「寺による宿坊参入は今後増えていく」と業界関係者は言う。もともとお寺は火災対策に力を入れてきたため、宿坊に改修するのに掛かる投資額も古民家などに比べて安価で済むという。宿坊ができれば、写経体験などの有償サービスも広がり、「一般の人に教えを広めたい」という僧侶の気概もあって、こちらも増えるのは時間の問題といわれる。

 気になるのは宿坊ビジネスの課税の有無だ。1泊1000円を超える宿泊は収益事業と見なされ、課税対象になる。簡易宿所や民泊という形での宿坊となれば、都道府県などへの届け出が必要なため、“免税”は不可能だ。

 もっとも、無償で泊め、お布施という形で宿泊料を徴収するとなれば、宗教法人として免税となる可能性が出てくる。ただし、旅行業界関係者は、「集客のために宿泊サイトに登録せざるを得ず、料金を明記するため、現実的ではない」とみる。いずれにせよ、宿坊がビジネスとしてますます注目を集めそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 大坪稚子)