「最近、米国側で複数の官僚が、対外的に中米交渉が亀裂した責任は中国側にあると宣伝しているがそれは事実ではない。実際、今年の2月以来中米間では前後4回に及び協議を行ってきた。中国側は終始最大限の誠意、協力とウィンウィンの態度を持って問題解決を推進してきた。特に5月19日には双方は重要な合意に達し、共同声明まで発表した。しかし、5月29日米国側が一方的に声明を発表し合意を破棄してしまった。6月初旬、双方はエネルギーと農業の分野で具体的な協力に関する合意に達したが、6月15日に米国側は再び合意を破棄し、7月6日には米国側は公然と貿易戦争を仕掛けてきた。7月11日、それはさらにエスカレートした。我々はこれらの状況に深い遺憾の意を表明すると同時に、このような単独行動主義と貿易覇凌(筆者注:「いじめ」の意)主義は受け入れられない。全体的過程を通じた実際の状況から見て、米国側で繰り返される信用の破棄こそが双方間の交渉の門が閉ざされてしまった原因である」

7月6日に米国側が「貿易戦争を仕掛け」
中国側が報復措置を取った

「2月以来4回に及ぶ協議」とは、(1)2月末から3月頭にかけての劉鶴・国務院副総理一行の訪米、(2)5月初旬、スティーブン・ムニューシン財務長官一行の訪中、(3)5月中旬、劉鶴国務院副総理一行の訪米、(4)6月初旬、ウィルバー・ロス商務長官一行の訪中を指している。

 7月6日の「貿易戦争を仕掛けてきた」というのは、米国側が知的財産権の侵害などを理由に中国からのハイテク製品や電子部品など818品目、総額340億ドル相当の商品に対して25%の関税措置をかけるという決定を、7月11日の「さらにエスカレート」とは米国側が中国からの2000億ドル相当の輸入品に対して10%の追加課税を行う用意があることを発表したのを指している。

 高峰報道官は、中国側が「米国が実際に340億ドル相当の中国商品に25%の関税をかける決定事項を発表したこと」を貿易戦争の勃発と認識する立場を明確に示唆した。

“この日”に備えて念入りな準備をしてきた中国は即日、大豆、綿花、食肉、自動車といった米国産品に同規模の関税をかけることを発表している。

 報復措置を取った=貿易戦争を受けて立った、と筆者は理解したが、念のため、本稿を執筆するに当たり、北京の中国外交部で対米交渉を担当する幹部とワシントンの駐米中国大使館に勤務する外交官の2人に「中国政府は7月6日を米中貿易戦争勃発日、言い換えれば“初日”と認識しているという理解で間違いないですか?」と確認してみると、2人も「そういう理解で間違いない」と返答してきた。