とても競技団体トップとは
思えない姿がテレビを賑わす

山根明会長率いる日本ボクシング連盟は「競技団体」がすべきことと真逆の行動をとっている山根明会長率いる日本ボクシング連盟は「競技団体」がすべきことと真逆の行動をとっている 写真:中井幹雄/アフロ

 この1週間ほど、テレビで見ない日がなくなったのが日本ボクシング連盟・山根明会長の迫力満点の姿だ。

 山根会長が君臨し、さまざまな疑惑が存在する連盟のあり方を憂えた都道府県連盟幹部ら333人による「日本ボクシングを再興する会」がJOCなどに告発状を提出したのは7月27日。山根会長はすぐに反応し、テレビで反論を繰り返した。

 それを見た人々は驚いたにちがいない。とても競技団体のトップとは思えない風貌と言動。テレビ局をはじめとするメディアは問題の根深さとは別に、そんな強烈なキャラクターを見逃すはずがなく、連日の登場となっているわけだ。

 話のネタも尽きない。次から次へと出てくるのが、山根会長のパワハラを立証する音声だ。相手との会話を録音しようと考えるのは、「何かあった時の証拠にしよう」ということであり、日常的にパワハラが行われ当事者が追い詰められていることの証明だ。

「再興する会」が告発した連盟の問題点は12項目あるが、ワイドショーなどで検証されているし、開催されているインターハイのボクシング競技が終了した8日にも、新たな告発があるともいわれる。それによって新たな動きが出るかもしれないので、ここでは触れないが、日本ボクシング連盟は競技団体としても正常に機能していないことは確かだ。

 競技団体はどのような役割を果たす組織なのかを改めて確認したうえで、山根会長が支配する日本ボクシング連盟が、いかにそれに反しているかを見ていこう。