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ERPを経営者の意思決定に役立てるために、アメーバ経営の実践から生まれた経営管理ツールの凄み――佐々木節夫・京セラコミュニケーションシステム社長に聞く

【第10回】 2012年5月8日
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 やろうと思ったらそういうこともできる仕組みを提供していますが、実際には、売り上げの上がるタイミングでさえ、セグメント間で統一されていないという企業も多い。我々は、そういったところからコンサルテーションに入り、どうすればいいか、KPI(業績評価指標)は何かといったことを決めていくお手伝いから始めます。そして実際に決められたことを正しく出力するシステムの導入を行います。

 さらに具体的に仕組みを動かしていくと、セグメントを管理されるみなさんの意識が高くなっていき、もっともっと細かく知りたいということになっていきます。そして、自然と細かな数字が入るようになり、精度が上がれば、自分でコントロールもできるようになります。それが、我々から見ると、アメーバ経営のベースができたということになります。

 しかし、アメーバ経営ではそれだけではなく、「数字に思いや意思を入れろ」、すなわち「フィロソフィ」が不可欠という話になりますが、フィロソフィはどちらの会社にもすでに備わっているもので、実際に、一緒になってKPIなどを決めていくなかで明確になっていくものでもあります。

――ERPについても、グローバル規模で約7万社に実績のある業務管理アプリケーション、インフォア10と連携し、トータルなソリューションとしての提供を始めていますが、最近のマーケットの状況をどう見ていますか。

 ひところに比べて、経営者の間で、ERPを入れることで事業が伸びるという期待がしぼんでいるのではないでしょうか。現場の情報システム部門としても、ERPを導入するというだけでは説得できず、経営者にとってのメリットが目に見えるような仕組みを示すことが必要になっているようです。BI(ビジネス・インテリジェンス)といってもぼんやりしていて、器だけあって、それを使ってどういう経営管理がしたいのかがはっきりと示せていない。経営者からは事業を伸ばす・利益を出すシステムにしろという要望があっても、現場に落ちたときにはただのERP導入プロジェクトになってしまっている。

 そうした経営と現場の意識のかい離が生じていますが、GreenOffice Profit Managementは、その間を埋めるソリューションになっています。京セラグループとしての実績とそれを可能にしている仕組みをエッセンスとしてお伝えできるものになっています。

 現在開発中のバージョンでは、グローバルレベルでの連結経営にワンパッケージで対応できるソリューションにすべく取り組んでいます。

 当社のICT事業のコンセプトは「情報を守る、つなぐ、活かす。そして経営を伸ばす」というもの。最初の「守る」と「つなぐ」はわりと製品やサービスに見えやすい。しかし、後半の2つについては、具体的なものとして見せるものがこれまではありませんでした。ずっと考えてきて、結果、我々の原点であるアメーバ経営に戻ってきた、というのが正直な思い。そのエッセンスで、海外に飛躍をはかる中堅・中小企業の経営のお役に立っていきたいと考えています。

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