商用車メーカーのビッグ3は欧州のダイムラー、ボルボ、VWであり、日本の商用車メーカー4社のうち、三菱ふそうはダイムラー、旧日産ディーゼルのUDトラックスはボルボの子会社である。日本のプロパー商用車メーカーという意味では、いすゞと日野だけという構図になっている。

 日野はトヨタの子会社だが、ここへきてVWの商用車部門と業務提携に踏み切った。そのVW商用車部門(スカニアとマン)は別会社「トレイトン」として新たに発足、米フォードの商用車部門とも6月末に業務提携を発表している。

 かつていすゞは、日本の名門自動車メーカーとして乗用車も生産・販売しており、ベレットや117クーペなど名車を送り出したが、2002年に乗用車部門から完全撤退して商用車メーカーの位置づけを明確にした。元々、発祥が一緒だったのが日野であり、バス事業では2004年に日野と統合してジェイ・バスを設立している。

 一時は、いすゞがトヨタと資本提携したことで、いすゞがトヨタの子会社である日野と“商用車事業の完全統合”を断行して結びつくか、との見方もあった。

 だが、いすゞと日野は強力なライバル関係にあり、日本での小型トラックと普通トラックの販売競争に加え、海外でもアジアなどで両社が激突するケースが多いこともあり、その見方は消えていった。むしろ、日野がVW商用車部門との提携に走ったことで、いすゞとしては、トヨタ以外のアライアンスの方向が求められていったということだろう。

 いすゞは、5月に来期(2019年4月)から2021年3月期までの新中期経営計画を発表している。2020年代において商用車市場での電動化やコネクティッド技術の普及への対応など、7つの重要経営課題を挙げて「既存事業の深化」と「次世代に向けた新化」に取り組むことにしている。

 そして今回、トヨタとの資本提携を解消して新たな提携相手を模索することになる。業界内ではその相手として、商用車のパワートレーンの主力であるディーゼルエンジンの先進企業である技術力と、東南アジア地域に強みがあり、中国にも早くから進出したことも含めて、いすゞをよく知るGMとの「再婚」が最も有力視されていることは言うまでもない。

(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)