本件は、なにがしかは「程度の問題」であるようだ。処方薬の自己負担額に付与されるポイントが、顧客・患者の行動を変えるほど大きい場合には、問題が生じる。

 では、1%程度なら、どうなのか。

クレジットカードはいいのに……。
「一貫性の問題」をどう考えるべきか

 少し異なる論点として、厚労省は、ドラッグストア・チェーンのポイント付与は禁止しようとしているが、クレジットカードや電子マネーを使う際に付与されるポイントについては禁止しない方針としていることとの一貫性の問題がある。

 患者の支払いの利便性を考えた場合、クレジットカードなどを禁止するのは、患者にとって著しく不便で、現実的でない(倫理的でもない)という考慮によるものだろうが、これが保険診療の自己負担部分に関する実質的な割引行為であることは、間違いない。

 思考実験的には、先のケースと似たことが言える。ビジネス的にはあり得ない話だが、カード支払いに対するポイント付与が大きなものになった場合に、過剰投薬が起こる論理的可能性はある。

 だが、ここでも、カードや電子マネーを利用する際に付与されるポイントは、患者の受診行動を変化させるほどに大きいと、筆者には思えない。

 しかし、それは筆者の感覚的な判断であって、論理的に絶対そうだと言える話ではない。たとえばカード使用額の1%であっても、全く影響がないというわけではない、という立論はあり得る。

 ただし、実質的な値引きが過剰な受診や投薬につながることが問題なら、保険診療患者の自己負担分の支払いについて、カードや電子マネーについてもポイント付与を規制しないとまずいということになりそうだ。