これに対し、市議会から「情け容赦ない」と批判が相次いだが、徳島市は「負担増はこれ以上できない」とし、新聞社も不適正な会計処理について「一定の責任がある」と瑕疵を認めていた。

 追い込まれた協会は徳島市と新聞社を批判。徳島地裁の申し立てでは「新聞社は利益を受け続けていたのに、損失は一切負担しなかった。赤字の責任はない」と訴えた。しかし徳島地裁は3月、破産手続きに着手。協会を擁護する振興協会は破産を防ぐための資金集めを開始し、3億円超を集め「破産回避が可能」と高松高裁に即時抗告したが、高裁は棄却。高裁は棄却理由を「市に補助金を打ち切られ(安定的な)収益を得る見通しがない」とし、協会は「混乱を招きたくない」として特別抗告を断念した。

政治問題、ほどけない感情のもつれ

 観光客や市民の楽しみに、財政問題が関わってくるのは何ともやるせない。さらに、この問題には政治的問題も含まれているとみられる。

 2016年の市長選では、遠藤市長は観光協会会長が支援する当時の市長を破って初当選した。今回の総踊りを強行した振興協会理事長は観光協会理事も兼務していた。

 新たな実行委の委員長となった遠藤市長は、入場料収入確保のために「総踊り」中止を表明した。しかし、協会や振興協会が、素直に受け入れられるはずもない。

 そこで、筆者はあえて徳島市や振興協会の幹部ではない、一般参加者に話を聞いてみた。

「観光客は総踊りを見ることができて喜んでいるだろうのぉ。でも、地元の人間はうんざり。まるで例のアマチュアスポーツのばかばかしい権力争いを見せられているみたいでな」と落胆していた。

 筆者は徳島に縁はあるが、今回の問題はどちらの意見が正しいのか分からない。おそらく、地元の方も分からないのではないか。願わくは運営についても関係者がわだかまりなく、有名連の踊りのごとく一糸乱れぬ姿を見たいものである。