すでに、テスラは部品メーカー等へ支払った代金の一部を返還するよう要請したとの報道もある。テスラは駐車場に大型テントを設営してモデル3の生産を進めるなど、苦肉の策で事態の打開を目指している。テスラの経営実態はかなり厳しいとみられる。

イーロン・マスク氏の
経営者としての資質

 在ニューヨークの株式アナリストらにテスラについてヒアリングすると、マスク氏の経営者としての資質に不安を感じる人が多いことがわかる。

 中でも、アナリスト諸氏が気にしているのが、マスク氏の自分勝手さ、過剰と思われるほどの自信、派手好みなどだ。そのほかにもさまざまな風評がある。

 すでに、マスク氏の言動についていけない幹部はテスラを離れたとの観測もある。特に、財務分野を担当する幹部が退社したことは、ウォール街関係者に「想像以上にテスラの資金繰りは悪化しているのではないか」との懸念を与えた。

 テスラの情報開示姿勢も懸念の対象となっている。

 すでに、モデル3の生産台数が目標台数を下回り続けている状況を受けて、米証券取引委員会(SEC)はテスラの情報開示姿勢を調査している。8月に入ってからマスク氏は、「1株420ドルでテスラを非公開にできないか考えている。資金は確保した」とツイートし、株価は反発した。この件に関してもSECは調査を開始した。その理由は、マスク氏のツイート内容をテスラが100%実現できる保証はなく、「風説の流布」にあたる恐れがあるからだろう。

 さまざまな風評やSECによる調査の進行は、マスク氏が身勝手にふるまってきたことの“ツケ”であるように感じられる。