中西敦士(トリプル・ダブリュー・ジャパン代表取締役)
中西敦士(トリプル・ダブリュー・ジャパン代表取締役) Photo by Masato Kato

 5年前の2013年、中西敦士は30歳を目前にして、道端で大便を漏らした。米カリフォルニア大学バークレー校留学中のことだった。

 その日、引っ越し先に徒歩で荷物を運んでいた。前日のキムチ鍋と当日朝の辛口ラーメンが腹を刺激し、急な便意に襲われた。押し寄せる便意の波を何度か乗り切るも、抵抗むなしくズボンをはいたまま便が解き放たれてしまった。

「大人になって漏らすなんて……」。ショックから立ち直れずにいると、高齢化社会に突入した日本でメーカーの大人用おむつの売上高が子供用を上回ったことを報じる記事を目にする。

 自分だけじゃなかった。いつ排泄するのかが分かれば幸せになる人は多いはず──。調べてみても、排泄前の尿意や便意、排泄のタイミングに着目した研究開発はほとんどなされていなかった。

 子供のころから起業家になりたかった。大学卒業後に会社勤めを経て、青年海外協力隊に参加。その後にビジネスを学ぶために米国へ留学した。そこでのお漏らし体験から事業化のテーマが決まった。ベンチャーキャピタルでのインターンを終えて14年5月、排泄を予測するデバイスを開発する会社を米国で立ち上げた。