頻尿の大きな原因は
身体機能の低下
頻尿、尿失禁(尿漏れ)など尿に関する悩みは一般的なものだ。書店の健康書コーナーにも「頻尿や尿漏れを自分で治す」といった類の書籍が並び、ノコギリヤシやヘポカボチャなど頻尿に効くというサプリメントの広告を目にする機会も多い。今現在とくに尿関連のトラブルを抱えていない人にとって、そうした悩みは「高齢者」または「女性」のものと思えるかもしれない。
実際、普段は元気に建設現場で働く70代の男性で、「頻繁に尿意に襲われるがちょろちょろとしか出ないため、やむなく紙おむつをはいている」という知人もいる。
尿トラブルの原因は薬の副作用、炎症、糖尿病、がん、あるいはストレスなどさまざまだが、それ以上に加齢による身体機能の低下そのものが及ぼす影響が大きい。膀胱や尿道の機能も低下してしまうのだ。
男性特有の尿トラブルは加齢による前立腺の肥大によるものが多い。前立腺が尿道を圧迫することで頻繁に尿意を感じたり、さらに病状が進行すると尿道が狭くなり残尿感を覚えるようになる。実際に尿が残っていることも多く、排尿後に下着を汚してしまうこともある。
女性の場合、尿道の構造から年齢に関わらず膀胱炎を起こしやすく、さらに加齢にともなう骨盤底筋の緩みや更年期の自律神経の乱れが頻尿や失禁を引き起こす。