「自前でつくる」精神を損なわない
そのような次第で、当社には外部発注=アウトソーシングは簡単にはしないという気風がある。
自分たちでできることは、なるべく自分たちの手で。
これは、私が経営陣に入る以前から表明しているモットーであり、現在はみんなで共有している社是である。
2012年に打ち出した中期経営計画のタイトルは、「つくる2016」という。
株式上場までの道筋づくりとして、「つくることの空洞化」を防ごうという意志を示したものだ。
国鉄という組織にもよいところはあって、かつては「国鉄の工場でつくれないものはない」などといわれたが、JRとなって以来、効率化や合理化の名目のもとに相当なアウトソーシング化が進み、気がつくと、「つくる」精神が損なわれているように見受けられた。
「つくる2016」は、その状況に歯止めをかけたいという思いをこめた中期経営計画だった。