自前で取り組むと、成果と喜びも大きい

 もちろん、はじめて着手するものについては、外部から専門家を監修者やスタートアップ時の先生や教官として招聘(しょうへい)することは必要だ。

 ただそのときに、ずっと外部に任せきりにするのだろうと思っているのと、すぐにでも自分たちの手でやらなくてはいけないと考えているのとでは、未来の成果に大きな違いが生まれる。

 当社でいえば、究極は「安全創造運動」だっただろう。
 これは、私の前任のJR九州第3代社長・石原進さんの時代に、全社員で共有された言葉だ。

 安全を守るのではなく、社員ひとりひとりがみずからの手で安全をつくるのだとする強い心。
 この積極的な安全への心がけは、鉄道のみならず、すべての業務や事業への積極的な取り組みにもつながったはずだ。

 楽をしない。手間をかける。

 そういう前提のもとに自前でなんでも取り組んでみると、楽しい仕事と成果につながるし、適切な利潤をみずからにもたらす。

 未来の社員たちに思いをつなぎ、未来のお客さまに新たな感動と元気を届けられる。
 それが私たちの生きる道である。

☆ps.
 今回、過去最高競争率が316倍となった「ななつ星」のDX(デラックス)スイート(7号車の最高客車)ほか、「ななつ星」の客車風景を公開しました。ななつ星の外観やプレミアムな内装の雰囲気など、ほんの少し覗いてみたい方は、ぜひ第1回連載記事を、10万PVに迫る勢いの大反響動画「祝!九州」に興味のある方は、第7回連載もあわせてご覧いただければと思います。