農業は生きがいにつながる
農業は、食としてひとに元気のもとを提供しているだけではない。
もうひとつ、農業は、働くこと、すなわち農作業をすることを通じて、働くひとたちも元気にする。
JR九州の農場では、以前農家だった多くのひとたちにも農作業を手伝ってもらっている。
自身が高齢になったことと後継者不足から、農業を営むことをやめたひとも、決して農作業自体が嫌なわけではない。
「農作業をしていると、いつまでも元気でいられる」
農業は、苦労の多いたいへんきつい仕事だが、不思議と、農作業自体は心身を元気にするという。
引きこもりや不登校の若者が農業に従事することにより、普通の社会人としての生活が送れるようになった、という報告をよく耳にする。
私も、数年前に宮崎県都城(みやこのじょう)市にある農業法人の視察に行ったとき、同じ話を聞いた。
引きこもりの若者たちも、ここで農業に従事すると、働くことの楽しさや生きがいを見つけ、数年ここで働いたあと独立して、みずから農業経営を行うひとも出てきているという。
農業は、食の提供という本来の機能だけでもひとを元気にするが、農業に従事すること自体にもひとを元気にする力がある。
このことが、私が農業への参入を決めた、もうひとつの理由だ。
☆ps.
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