不正融資問題で揺れるスルガ銀行不正融資問題で揺れるスルガ銀行 Photo:DOL

組織も個人も、もちろん経営者も悪い!

「スルガ」と言うと、浪曲「森の石松」の有名な出だし「旅行けば 駿河の国に 茶の香り」が思い浮かぶのだが、“金融の国”の住人にはスルガ銀行のバランスシートから立ち上る「焦げ付きの異臭」が強く感じられるようになった。そして、この杜撰な不動産向けローンから立ち上る“スルガ臭”は、どうやらスルガ銀行だけのものではなさそうだ。

 スルガ銀行の不適切な融資について調べてきた第三者委員会が9月7日、報告書を発表した。大方の予想通り、不正は広範に行われていた。もちろん経営陣にも責任があるし、個々の行員にも責任があると読める報告だ。

 経営者の責任は逃れようがない。不正の背景には、経営陣が業績に対する過大なプレッシャーを行員に掛けていたことがあろう。仮に、彼らが行員の不正の実態を知らなかったと言い張るなら、それは経営者としての責任を全く果たしていなかったということだ。

 もちろん、不正に関わった行員も、書類の偽造を見過ごして(あるいは指導までして)、自分の人事評価のために銀行のお金を融資することに手を染めたのだから、許されるべきではない。背任・詐欺・私文書偽造といった性格の不正なのであり、彼らは、今後、銀行業に関わってはいけない罪を犯した人たちだ。