島村 なるほど、知識量が多い方を意図して配置し、グループ学習を機能しやすくされているというわけですね。

原田 はい。だからといって、薬学部出身者が、教えてばかりで大変とは思われないように配慮はしています。薬学部出身者には、教える経験は今後現場に出たときに必ず役に立つと伝えていますし、それ以外の学部出身者には、あまり頼りすぎないようにとも伝えています。文系学部出身者も最初は苦労していますが、それでも最終的には班員の協力を得ながら試験には合格するので、結果は出ていると認識しています。

島村 グループ学習に切り替えてから、認定試験合格率はどのように変化しましたか。

原田 変わらず、ほぼ100%に近いところで推移しています。

島村 すると、以前の座学形式も間違っていなかったということだと思いますが、それでもグループ学習を選び続けているのはなぜですか。

わずかなチャンスで勝負するため
アウトプットの機会を増やしたい

原田 その理由は、今、一部の研修を内製化している理由とも同じなのですが、アウトプットの場を増やしたいからです。この業界にも学習、つまりインプットが好きで、知識を得て安心し、満足して終わってしまう人が少なくありません。しかし、そのインプットはアウトプットのためのものです。仕事はアウトプットそのものであることをわかってもらいたいですし、そのスキルを少しずつでも発表を通じて磨いてもらいたいと考えています。

 このアウトプットの力は、年々、必要性を増しています。どんな業種でもそうですが、成熟市場で差別化を図るのはとても難しいことです。こちらから一辺倒な投げかけをしても、反応は得られません。だからこそ、グループでの対話や一対一で話をすることを通じて、質の高いアウトプットをさせることをかなり意識しています。

島村 教室で学んだことをまずは、教室内でしっかりとアウトプットさせ、そして、次に現場でアウトプットさせる。こうした意識、つまりは、研修転移を促す意識が、研修の効果を高める上では必要になってきますよね。また、アウトプットを増やすために研修の内製化を強化されているという点も素晴らしいと感じます。

原田 アウトプットを求めることについて、より具体的なことを言えば、MRも以前に比べると、ドクターと面談をする機会が減っています。説明のチャンスは一度だけということもあります。そのわずかなチャンスで勝負するためにも、MRには質の高いプレゼン力、アウトプット力が必要です。グループ学習、そして委員会活動は、そうした力を磨く場でもあると考えています。