偏向報道してしまう
マスコミ側の本音とは?

 一方、モスバーガーはこれまでマクドナルドのように「悪目立ち」をしてこなかった。むしろ、新鮮な国内産野菜を使用し、注文されてから一つひとつ手作りする、といったポジティブなイメージが定着している。また、飲食業界の食中毒が続いたなんてトレンドもない。つまり、マスコミから叩かれる要素があまりないのだ。

 なんて話を聞くと、「じゃあ、マスコミが企業や政治家を叩くのは、相手のイメージや、その時々のノリで決めてるのかよ」と驚くかもしれない。

 マスコミの人たちは顔を真っ赤にして全否定するだろうが、実はその通りで「マスコミが叩く明確な基準などない」と思った方がいい。

 体罰問題が注目を集めたら、わっとそういう話ばかりが溢れかえるように、その時々の世論、報道のトレンド、視聴者や読者が何に関心があるのかを敏感に察知して、それに合わせた「ポジショントーク」を行なっているのに過ぎないのだ。

 何を根拠にそんなふざけたことを言うのだと怒る方も多いだろうが、マスコミ、特にテレビ局の人たちがほぼ例外なく、「放送アーカイブ」に反対していることが、その動かぬ証拠だ。

 これは、新聞や雑誌、書籍における国会図書館のように、過去に放映をしたテレビ番組を収蔵して、誰もが閲覧できる施設で、海外では当たり前ように作られている。だが、日本のテレビ局は、「権力者が報道内容を遡ってチェックできるので、現場が萎縮する」と猛反対している。なぜこんなワケのわからない屁理屈をこねるのかといえば、自分たちの「報道」というものが、実は「ポジショントークの塊」だということを、誰よりもよくわかっているからだ。

 アーカイブ化されると先ほどのマックの会見のように、辻褄の合わない話が山ほどでてくる。昔は反対だったのに今は大賛成みたいな二枚舌が派手にバレる。そうなると、「権力を監視する立派な人たち」というマスコミの特権的立場が揺らいでしまうので、是が非でも阻止しなくてはいけないのだ。

 こういう極めて偏った人たちに、「消費者を舐めているのか」「なぜもっと早く情報を出さないのだ」と、説教されてもなかなか素直に受け入れらない。むしろ、イラっとしてつい反論をしたくなってしまう。これが、謝罪会見で「失言」をする経営者が多い理由の一つである。

 同じような不祥事を起こしても、叩かれる企業と、叩かれない企業があると、「あの企業は広報対応が良かった」とか「初動対応が良かった」という話になることが多い。もちろん、それも無関係ではないが、実は「トレンド」や「企業イメージ」に起因するマスコミの「ポジショントーク」が与える影響の方がはるかに大きいのだ。