長期金利の高め誘導は
増税前でも取り組む

 ▽メッセージ2:10年物国債金利の誘導目標のゼロ%は変更しませんが、金利は上下0.2%程度の幅で変動することになります。これは上下に変動幅を広げるものなので、金利水準を引き上げるということでは決してありません。

 日銀の発表文を見ると、10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう長期国債の買入れを行うことになっており、ここは今までと変わっていない。ただ、その際、「金利は、経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動し得るもの」とした。

 今までもある程度は変動していたが、決定会合後の記者会見で黒田総裁が、従来の±0.1%の変動の幅から±0.2%の幅で変動し得ることを念頭に置く、と説明している。

 イールドカーブコントロールは、政策金利-0.1%と10年国債金利の誘導目標である0%という2つの長短金利を操作してイールドカーブの形状を決めていくものだが、最近は政策金利が動かない中、10年国債金利が変動することでイールドカーブ全体が動くようになっている。

 つまり10年国債金利が誘導金利であると同時に事実上の政策金利になってきている。

 10年国債金利の推移を見ると、0.0%~+0.1%のレンジで変動していた金利が、8月以降は+0.1%を中心としたレンジで推移するようになっている(図表2)。

 日銀は、金利が上がり過ぎていると判断した時は指値オペを実施して、0.1%という上限を示してきたが、「枠組み強化」を導入した後は、0.1%超えを容認している。10年国債金利の高め誘導が進んでいる。

 メッセージの背後にある内なる思いは、「低過ぎる金利がもたらす問題点を回避するために、消費税率引き上げ前でも、0.2%をめどに実質的な政策金利である10年国債金利を少しずつ高めに誘導していく」と読める。