7月31日、日本銀行は現行政策であるYCC(長短金利操作)の調整に打って出た。YCCについてはいくつかの副作用が指摘されてきたが、そうした副作用に一定の配慮を示す形で、日銀は長期金利の振れ幅の拡大を容認した。
しかし、実際にどの程度、長期金利が振れるかは、新たに導入された政策金利のフォワードガイダンスに負うところが大きい。
フォワードガイダンスを軸に、今後の金利環境を展望してみよう。
政策調整のサプライズは
政策金利の「フォワードガイダンス」
31日の決定会合で日銀は、「異次元緩和」策の副作用に配慮するという問題意識から、YCCを軸とする現行の金融政策を一部調整した。
長期金利(10年物国債金利)の誘導目標を柔軟化するなどの調整は、事前に市場で予測されていたが、サプライズは政策金利のフォワードガイダンスだった。
それらを含めて、政策調整の内容は5点にまとめられる。