効果絶大!
人の気持ちに着目した引き留め策

 通常コールセンターでは、新しいオペレーションに切り替えた直後はパフォーマンスが落ちるものです。しかし、この時は落ちることなく、すぐに効果が現れました。

 検証結果は、リテンション成功率が通常の解約リテンションと比べて約20ポイント向上。リテンション後3ヵ月してからの契約継続状況も、通常リテンションと比べ約45ポイント向上しました。

 リテンションやエンゲージメントは、個々の顧客を知って行うことがいかに大切かを物語る数字だと私は考えています。

 同じサービスを利用していても顧客にはそれぞれの生活と事情があり、求める価値は一律ではありません。

 同じ内容の施策を一律に行うと、ターゲットをごとに特徴に合わせた施策を行う場合に比べ費用が抑えられるので、全体に共通な施策を行うのが一般的です。

 が、一律な内容で行う施策は、結果的にどの対象にもジャストミートしない場合が少なくありません。費用が抑えられても、効果がでない施策はやる意味がありません。

 リテンションやエンゲージメントの施策もCPA(1件あたりのコスト)が高くならないように見ていく必要がありますが、相手の特性や事情に合わせて施策を分けて実施することが、新規の顧客の創出が難しい時代に費用を無駄にしないで顧客を増やすための有効な方法だと私は考えます。

(続く)