筆者の周りの誰に聞いても、「お客の前で店員に説教する飲食店」の評判は軒並みよろしくない。単純に不快な気持ちになるし、美味しいメニューも不味く感じてしまう。店内のピリピリ感が伝わって、客まで居心地が悪くなる。「居心地がいい、リラックスした雰囲気で食事をしてもらう」こともサービスの一環だと思うのだが、違うのだろうか。

客が気を使わなければいけない理不尽さ

 話を、一度整理したい。ラーメン屋の店長は、筆者に対する接客態度に腹を立てて、店員に怒号を浴びせた。確かに、少々荒々しい提供の仕方ではあった。しかし、忙しい店内の状況に鑑みれば、許容の範囲内ではある。別にスープがこぼれたわけではないし、焦っている心のうちは伝わってきてしまったが、不遜な態度とは感じなかった。

 焦っている心のうちが客に伝わってしまうのは、サービス業の店員としては洗練されたものではないかもしれない。しかし、そもそもその店員が焦っているのは、それ以前から店長にプレッシャーをかけられていたからである。原因の一端は、明らかに店長なのだ。

 しかも、店長が店員を叱ったことによって、筆者は他の客全員から注目を集める存在となってしまった。気まずい思いをして、胃に流し込んだラーメン。本当にお金を返してほしい。おそらく、一連の騒動を見せられた他の客も同じ気持ちだったのではないか。