断捨離せずに整理収納ほとんどの家は断捨離せずに、物をきれいに整理収納できるようです Photo:PIXTA

家事代行サービス「タスカジ」の中でも、“予約の取れない家政婦”として大人気の「家族の片づけコンサルタント」seaさん。22年に及ぶ家事代行サービス歴で身につけた整理収納術で、家族と住まいの問題に切り込みます。連載3回目の今回は、「断捨離せずに、物を上手に整理収納する方法」がテーマ。「物が多くて片づかない」という悩みを解決します。

捨てる・捨てないにこだわるほど
家は片づかないという事実

「家族の片づけコンサルタント」のseaです。家事代行のプラットフォームサービス「タスカジ」にて依頼を受け、毎日のようにいろいろなご家庭で整理収納や掃除のサポートをしています。

 中でも「整理収納」のお仕事で訪問する家の多くは、何らかの努力をしてもまたすぐに元の木阿弥、の繰り返しで膠着状態に陥っています。うかがうほとんどのご家庭で、「わが家は物が多くて…。物を持ちすぎているのは自覚しています。でも捨てられないんです」という悩みをお持ちです。

 この状況を変えたいけれども、物は捨てられない。だから片づかない。でもなんとかできないものか……。思考が堂々巡りを繰り返しているのをひしひしと感じます。

 しかし、家事代行サービス歴22年の私から見て、ほとんどの家は決して“物が多い”わけではありません。おうちにお邪魔して、「お宅は、決して物は多くありませんよ」とお伝えすると、大変驚かれます。これは安心させるためのリップサービスではありません。実際のところ、訪問する10軒のうち8軒ほどの物の総量は、ごく一般的な範囲に収まっています。

 ではなぜ多くの家では、物がそれほど多くないのに、整理収納しきれず、使い勝手が良くならないのでしょうか。

 それは、

「物を収納するエリアと生活動線がリンクしていない」
「物の出し入れと収納法が一致していない」

 から。主に、この2つの原因によって家が機能不全に陥ってしまっているのです。ですから、それらを改善できれば家の悩みを解消することができます。