19年中には減税効果剥落

 20年で利上げは停止との見通しが示されたこともあり、約27年ぶりの高値を更新した日経平均株価、最高値を更新するニューヨークダウに見るように、株式市場は上昇基調を続けている。米国景気は拡大を続けるとみている。

 しかし、こうした市場の見方は楽観に過ぎるだろう。

 FOMCメンバーの予想通りに推移するとすれば、景気に対して中立と予想する水準である3%を来年中には超える。つまり、景気を抑制する水準にまで引き上げられる。

 物価のコア上昇率(エネルギーと食品を除いた上昇率)は18年が2.0%、19年から21年が2.1%となっている。次回の利上げで予想物価上昇率を超える。

 法人税率引き下げ、所得税減税を柱とするトランプ減税は足元の景気を上振れさせている。成長率見通しは18年が3.1%と6月の前回の見通し発表時の2.5%から上方修正された。ただ、その後は19年2.5%、20年2.0%、21年1.8%と減速を見込む。

 18年に入って実施されたトランプ減税の効果は19年以降一巡する。となれば、来年以降の利上げ継続で景気が予想より大きく減速する可能性は否定できない。対中国の関税のさらなる率の引き上げ、対象拡大も景気を冷やす要素となる。

 この状況下で、インフレ抑制と景気過熱抑制の点から見ても3%を超える利上げは、引き締め過ぎとなる公算が高い。住宅価格や株価など資産価格の上昇を抑制する狙いもあるのだろうが、実態経済が落ち込んでは元も子もない。

 トルコ、アルゼンチンに見るように米国の利上げは経済が脆弱な新興国からの資金流出を加速させる。さらなる利上げは、その不安も拡大させる。国内要因、国外要因双方から見てFRBは、来年中に利上げを停止することが望ましいだろう。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田孝洋)