「ルーティン化」で
仕事の質を上げていく

 ぼくもかつては「ルーティン化」をせず、行き当たりばったりで仕事をしていました。しかし、あまりにも無駄が多いことに気づいたのです。

 いまは日々の動きも「ルーティン化」するために、ぼくはいろいろな工夫をしています。
 まずは仕事の「曜日」を決めてしまうことです。曜日ごとにやるべきことを決めて段取りをすればルーティンとなり、スムーズに仕事が進みます。

 たとえば担当クライアントについて、「月曜日はA社、水曜日はB社、木曜日はC社の仕事をする」と基本的に決めておく。

「チームで毎週ミーティングを行なう」と決まったら、「毎週、火曜日の10時に固定しませんか?」と提案する。やり方はいろいろあります。

 ぼくも年間契約のクライアントさんが複数いるので、クライアントさんごとに打ち合わせの曜日を固定することで、スケジュールがすっきりし、段取りもうまくいくようになりました。

 また、ひとりの仕事であっても、働く場所や時間、そこでやるべきことまで決めてしまうこともルーティンを増やすうえで効果的です。

 ぼくのように自分で会社をやっている人やフリーランスで働いているような人は、基本的に「いつ」「どこで」「何を」しようと自由です。

 これはいいことのように見えますが、実はこの「選べる」という状態は意外に心理的負担が大きいものです。

 毎日会社の自分のデスクで仕事をする人は、仕事の場所や時間をいちいち決める必要はありません。実はこれも小さいながらストレスを減らしていると言えます。

 イチローが打席に入るときに「ルーティン」を行なうのも、スティーブ・ジョブズが同じ服しか着なかったのも、選択肢を減らしていたのでしょう。