課長クラス以上のマネジャーにとって「会議術」は、チームの生産性を上げるために必須のスキルです。ところが、私たちには「会議術」を体系的に学ぶ機会がほとんどありませんから、悩んでいるマネジャーも多いのではないでしょうか? そこで、ソフトバンク在籍時に「会議術」を磨き上げ、マネジャーとして大きな実績を残した前田鎌利さんに『最高品質の会議術』(ダイヤモンド社)をまとめていただきました。本連載では、その内容を抜粋して掲載してまいります。

「上司はクライアント」と割り切る

 直属の上司のみならず、上層部と信頼関係を築くためには、適切なコミュニケーションを取ることが不可欠です。そして、そこには絶対的な鉄則があります。これを外すと、絶対に信頼関係を構築することはできませんから、くれぐれもご注意ください。

 まず第一に、「好き嫌い」は関係ないということです。
 人間誰しも「好き嫌い」「合う合わない」という相性の問題がありますが、それを仕事に持ち込んでも何一つ「得」はありません。「損」するだけです。「信頼される」とは「好意をもたれる」ということと、ほぼ同義です。そして、こちらが「嫌い」と思えば、相手も「嫌い」と思うのが現実。であれば、好意をもたれるように、せめて嫌われないように言動を律するべきです。

 実際、私がソフトバンク時代に「この人は仕事ができる」と思った人は、どんなに相性の悪い上司とも、それなりの関係をつくっている人ばかりでした。上司に「Yes」と言わせて、上司に動いてもらうからこそ、組織を動かすことができるのですから、考えてみれば当たり前のこと。たとえ相性の悪い上司(嫌いな上司)でも味方につけるのが、できる人の共通点なのです。

 これは、決して難しいことではありません。上司をクライアントだと思えばいいのです。クライアントであれば、少々、相性の悪い相手でも、ビジネスと割り切って付き合えるはずです。上司も同じです。上司の意思決定を得られなければ、自分がやりたいことはできないのですから、クライアントだと思えばいい。そして、戦略として「好き嫌い」を超えた言動に徹すればいいのです。

 第二に、上司とのコミュニケーションは、徹底的に相手に合わせるということです。言い換えると、徹底して相手の立場に立つということ。上司も人間ですから、それぞれ特性があります。その特性に合わせて、コミュニケーションの仕方を変えるのです。

 人間は、コミュニケーションがうまくいかない相手に対して好感をもちにくい傾向がありますから、上司に合わせることで嫌悪感をもたれるリスクを低くすることができます。

 会議やミーティングの場で、上司の意思決定を求めるときには、なおさらそうです。その上司にとって納得度の高いコミュニケーションを取らなければ、同じ内容の提案であっても、なかなかGOサインを得られないという結果を招いてしまいます。

 そこで、私は下図のように、行動傾向から上司の特性を4つに分類して、それぞれコミュニケーションの仕方を変えてきました。あくまで目安ですが、非常に有効ですので、ぜひ、みなさんにも試していただきたいと思います。