たとえ数々の逸話を生んだ老舗であっても、小売店が破綻する際に感傷的になるのは特定の顧客と従業員だけだ。業界の人々は、誰が市場シェアを奪うのか、それとも単純にその店の売上高が消えるのか、といった臆測を始める。今年の年末商戦は、トイザラスとシアーズという象徴的な小売業者2社の死が特徴になるだろう。後者は15日に1億3400万ドル(約150億円)の債務返済期日を控え、14日に破産法11条の適用を申請するとみられる。シアーズ消滅で小売り各社の好調はさらに強まりそうだが、一部は他社よりも大きな恩恵を受けそうだ。2017年末時点で65億ドル前後の売上高があったトイザラスの破綻から最大の追い風を受けるのは、ターゲット、アマゾン、ダラー・ツリー、ウォルマートとみられる。モフェットネーサンソンの小売りアナリスト、グレッグ・メリック氏によると、玩具の場合、他の販売店への移行率はテレビなどの家電と同じく約90%だ。人には常に買う必要のあるアイテムがある。トイザラスは消えるかもしれないが、クリスマスツリーの木の下に置かれる玩具が消えることはない。