人事スタッフにできる
社員の健康維持への施策とは

 長時間労働を是正し、過労死をなくすためには、時間労働制であっても、裁量労働制であっても、健康維持のための取り組みのイニシアティブを人事部がとっていく必要がある。

 具体的には、健康診断の受診を奨励するのはもちろん、健康診断で再検査、要治療などの結果が出た人に対して、それを実施したかどうかのフォローをしたり、健康診断結果をふまえて必要と思われる人やそうでなくても希望する人に対する産業医面談を奨励することもできる。また、面談後の産業医の指示をフォローするなど、健康状態の確認や健康維持のためのサポートをしていくべきだ。

「労働安全衛生法で義務付けられているから」「労基署に報告しなければならないから」という理由だけで、健康診断の受診率の確認という管理事務だけにとどまっていては、社員の健康維持のための役割を果たせない。

 人事部にできることは、健康診断の受診や産業医との面談にとどまらない。時間労働制であろうと裁量労働制であろうと、日頃の業務の状況から、顔色がすぐれない日が多くなっていないか、コミュニケーションの頻度が少なくなっていないか、体調を崩す頻度が高くなっていないか、遅刻、早退、休みが多くなっていないかなど、日頃から社員一人ひとりに目を配って健康状態の悪化の予兆を察知できれば、健康被害を未然に防げる可能性は高まる。

 本社人事部のみならず部門人事部、各事業所の人事部も含めた、人事の役割を担う部の定員は、社員100人から80人に対して1人が望ましいと言われる。人事スタッフ1人が、100人から80人の健康状態を把握すればよいのだ。