『週刊ダイヤモンド』10月20日号の第1特集は、「大学・学部序列」です。汚職、不正入試が発覚した東京医科大学ですが2019年入試にどう影響が出るのか、特集記事を特別公開します。
汚職、不正入試が発覚した東京医科大学。受験生は女子や多浪生を入試で不利に扱っていた大学を志望するのか。塾・予備校へのアンケート調査で、2019年の入試への影響を探った。
志願者数の予想では「減る」と「変わらない」が各36%(図参照)。「ブランドイメージが大きく損なわれ、男女問わず高学力層の志望が減少する」との声が集まる。変わらないとする理由は「受験回避がある一方で、倍率のダウンを見越し受験する学生も出る」「結局、医師免許を取るには医学部に行く選択肢以外ない。数が限られている現実を受験生や親は認識している」といったものだ。
「医学部人気はいまだ衰えないため、例年通りの志願者数になる。ただし医療の変革に伴い、医師の将来性に疑問を抱き始め、近い将来に医学部全体が落ち着く」との声もあった。
「増える」予想は6%。「不正が表に出たことで、今年は公平な入試になるという期待感から女子を中心に増える」などと読んでいる。
合格者の入学についての予想は「変わらない」が71%を占めた。「医師免許取得という最終目標があり、大学は手段にすぎないと判断する」という割り切りだ。「複数に合格した場合は他大学に流れる」ことを見越して、「減る」も18%あった。
「減る」予想では、「医学部私立御三家の次点として私立旧制医専校である昭和大学、東邦大学、日本大学などと並んでいたが、優先順位が下がるのは必至。日大も別の問題を起こし、昭和、東邦への流れが進む可能性がある。女性医師問題絡みで考えると、旧制女子医専だった東邦への流れが強くなる」との見方も。