奇妙な新聞報道
財務省の意向を「忖度」?

 実際に15日の臨時閣議では何が決まったのか。

 官邸のツイッターは、閣議での「総理発言」をこう伝えている。「消費税率については、法律で定められたとおり、平成31年10月1日に現行の8%から10%に2%引き上げる予定です」。

 ちなみにこの日の臨時閣議の一般案件は「平成30年度一般会計補正予算(第1号)等について(決定)」だ。

 元官僚の筆者から見ると、「等」が悩ましい。

「等」の中に、消費税増税を政府が閣議決定したことが含まれているとも、取れなくもない記述だ。

 だが、官邸のツイッターの「総理発言」全体を読んでも、安倍首相は、来年10月の消費税率10%引き上げが、経済に影響を及ぼさないよう対策を策定したり、軽減税率の準備を進めたりするよう指示したということだろう。

 ここで、読売新聞が先駆けて報道したことの「謎解き」を試みてみよう。これには確証があるわけでなく、あくまで筆者の邪推でしかない。

 まず、財務省は2019年10月の消費税増税を確定させたいと思っているはずだ。そこで、財務省の有力OBが関連会社に天下っている読売新聞に、15日の閣議決定があることをリークする。

 その際、あたかも消費税増税を閣議決定するかのような印象を記者に与える。財務省は、それがウソにならないように「等」を閣議決定に入れた――ということではなかったか。

 しかし、それでも、筆者から見ると、読売新聞の記事の内容は奇妙だ。総理発言のように、消費税増税自体は、もう法律に書いてあるのだから、予定通りやることを閣議決定することはないはずだ。閣議決定の対象は、補正予算であり、消費増税は、予定通りやると話して、対策は大丈夫かと、確認したということだけなのだから。

 このことは、菅官房長官の記者会見での質疑(動画)からもうかがえる。

 菅官房長官は、質問に対して、「リーマンショック級の経済変動がなければ実施するというのは過去の答弁通り」、「最終的な決断は、状況を見ながら判断する」と発言して、今回の消費税増税の表明が、これまで通り(法律で決まっている)であり、今回が最終的なものでないことを明らかにしている。

 大手新聞などの多くは、消費税増税に賛成の立場だ。それは10%への消費税増税の際に軽減税率(8%)が受けられるからだ、と筆者は推測している。