ちなみに、財政モニター報告書では、2ページの図1.1で、比較可能な国の「公的部門バランスシート」でのネット資産対GDP比が記載されている。それによれば、日本の公的部門のネット資産対GDP比はほぼゼロである(下図参照)。

 ネット資産対GDP比は、財政状況を見るのに使える。

 理論的には、ネット資産対GDP比が限りなく減少する(数学的な表現では、マイナス無限大に発散)と財政破綻、ということになる。

 またIMFの報告書ではそこまで書いていないが、35ページのAnnex Table 1.3.1.で、長期金利と一般政府のネット資産との状況について、回帰分析を行っている。

 その含意は、「ネット資産が少なくなると、長期金利が上昇する傾向がある」となっており、理論面でのネット資産と財政破綻の関係と整合的であることが示されている。

 そこで、一般政府のネット資産対GDP比とその国の信用度を表すCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)レートの関係の相関を調べてみた。これを見ると、両者にはかなりの相関があることが分かる。