【落ち込みを防ぐ、3つの山下ルール】

【年収1億円の習慣】<br />落ち込んでいいのは、最長「3分」まで山下誠司(やました・せいじ)
(株)アースホールディングス取締役(株)サンクチュアリ代表取締役
日本最大級の240店舗を展開する美容室「EARTH(アース)」を運営する、(株)アースホールディングス取締役[スタッフ3000名、年商180億円]。うち70店舗をフランチャイズ展開する、(株)サンクチュアリ代表取締役も兼任。(株)サンクチュアリは、自社から輩出したフランチャイズ30社とともに、関東、甲信越、東海、北陸、北海道、福岡で展開[スタッフ900名、年商50億円]。1976年、静岡県生まれ。高校卒業後に上京し、19歳で年収180万円から美容師を始め、31歳で年収1億円を超える。19歳から23歳まで、ほぼ休みなく仕事をし、24歳から39歳までは、始発から終電まで365日、15年間、1日たりとも休みなく仕事。40歳からは、仕事と遊びの壁が、完全になくなる。愛車は、フェラーリ488スパイダー。趣味は「仕事」。

(1)落ち込む時間は、最長「3分」まで
人間には感情があるので、「落ち込み」を、完全になくすことはできません。怒りや悲しみのようなマイナスの感情が動くこともあります。
ですが、「落ち込んでいる時間を短くすること」はできます。トラブルに見舞われたら、「3分間だけ落ち込む時間」をつくり、しっかり落ち込みます。なんなら、誰もいない倉庫で大声を上げてもいい。そして、3分間、十分に落ち込んで、「マイナスの感情」をすべて吐き出します。

(2)無理にでも「笑う」
3分間、めいっぱい落ち込んだら、今度は、無理にでも「声を出して、笑う」ようにしています。こちらは、逆に、人前でやってもかまいません。
イギリスのサセックス大学で行われた実験の結果、「笑う」ことで、自分自身の気分が上がることがわかっています。「口を尖らせてアニメ番組を見る」のと、「笑顔をつくってアニメ番組を見る」のでは、後者のほうがおもしろく感じるそうです(※1)。

また、『種の起源(しゅのきげん)』の作者、ダーウィンは、表情に関する研究もしていて「笑顔とは気分が良いときの結果であるだけではなく微笑むという行為自体が気持ちを上向きにさせる」と述べています(※2)。
落ち込んでいるときこそ、笑ってみる。作り笑顔でもいいので、無理にでも笑うようにすると、立ち直りが早くなるのです。

あるアパレルメーカーのA社長は、「後継者」とまで目していた部下に、突然、裏切られました。部下が金銭授受の「不正」を働いていたのです。
A社長は心底落ち込みましたが、「落ち込んだのは、自分自身を過大評価していたからだ。あのイエス・キリストでさえ弟子のユダに裏切られたのだから、自分が裏切られるくらいのことはしょうがない」と気持ちを切り替え、そして「大声を出して笑った」そうです。すると、気持ちが晴れてきて、改善への意欲が湧いてきたそうです。

(3)「落ち込んだ原因」と「解決策」をノートに書き出す
落ち込んでいても事態は改善しないので、すぐに問題の解決に取り掛かります。
私の場合は、まず「落ち込んだ原因」と「解決策」をノートに書き出して、整理するようにしています。
仮に「信頼している社員が辞めた」としたら、「どうして辞めたのか」「何がいけなかったのか」といった原因を洗い出し、その後、「では、どうすれば改善できるのか」を考えます。「解決策」が出たら、即座に実行します。これをスピーディーに行うためには、落ち込んでいる暇なんてないのです。

今の私だと、落ち込む時間は「2、3秒」あれば十分です。3分も必要ありません。瞬時に気持ちを切り替えて、残りの時間は、事態の収拾、解決、改善に使っています。

人生には、落ち込んでいる暇などありません。起こった問題を直視して、直ちに解決策を考え、実行に移すことしかできないのです。丸1日落ち込んでも、3分間しか落ち込まなくても、どちらも「問題解決」したことにはなりません。だとしたら、落ち込む時間は「極端に短く」して、すぐに解決に乗り出したほうが、全員にとっていいのです。

●(※1)【エキサイトニュース】2015年4月18日「マイナビ学生の窓口」『笑顔になれば、世界が変わって見えるー科学的根拠』参照
●(※2)【www.ted.com】2011年5月「笑みの隠れた力」ロン・ガットマン(日本語訳:Takako Sato)より引用&参照