(1)は老朽化した、もしくは空室だった物件を取得し、業態転換やリブランドするパターンだ。少し前の「伊東園ホテルズ」や米系資本ベインキャピタルの「大江戸温泉物語」などが、その典型だ。最近では買収対象の古いホテルが減ったため、閉鎖された保養所や老朽化した店舗ビルなどを取得し、宿泊施設に用途転換する事例が増えている。

写真奥が「熱海パールスターホテル」となる予定の建物、手前の建物跡地に「ラビスタ熱海」が新築される予定

(2)は、カトープレジャーグループ(熱海ふふ)や共立メンテナンス(ラビスタ伊豆山)など、熱海にある他の既存施設が好調といった理由で追加投資するパターンだ。例えば、【7】の共立メンテナンスの「ラビスタ熱海」は、熱海パールスターホテルに隣接する地に建てられることが今年8月に分かった。13棟、327室からなるリゾートホテルで、来年3月着工、2022年12月末完工を予定している。

(3)については、例えば【10】のプリンスホテルが熱海に新規参入することが、今年10月に明らかとなった。「どのブランドで出店するかなど、まだ公表できる段階にはない」(広報担当)が、近々発表される見通しだ。

相場の倍近くで即買いも
中国系投資家の思惑

 そして(4)が、最近の中国系投資家に多いパターンだ。当初はホテル・旅館への転用や自社保養所としての利用を目的に取得したものの、昨今の観光客増加による不動産価格高騰を受けて、利ザヤを狙い短期で転売に出される。

 例えば【14】は、地元不動産関係者によれば「現オーナーは中国系旅行会社で、日本人のホテル関係者を雇用し開業を計画していたが、現在は売りに出ている」という。前オーナーの取得時は7000万円ほどだったが、現オーナーが約2億円で取得した後、今は同物件が3.5億円で売り出し中となっており転売を狙っているようだ。

【15】は熱海市街地西部にある日本企業の保養所を、中国系投資家が1億円台後半で購入した。現在2億円台半ばでの売却を、水面下で模索中だ。また【16】は、日本企業の保養所を中国系投資家が現地も見ずに購入した。どうやら当初の目的は自宅だったようだが、大きすぎたため旅館に改修し、営業を続けながら水面下で2億円という価格で売りに出ているという(前出の地元不動産関係者)。