米国は自らの海外部隊の再編を
日本政府の負担で行おうとしている?

 英文のロードマップでは、「懸かっている」は “depend on”と “dependent on”という言葉が使われている。その語源等も含めて考えると、その意味するところは、端的に言えば、「日本政府の対応次第」ということであり、前提条件ではなく、ある程度突き放して「どうするか自分たち(日本政府)で考えろ」と暗に言っているか、半ば「脅し」のようなものであると考えた方がいいのではないか。

 ただ、その「自分たちで考えろ」や「脅し」の対象は普天間代替施設の整備ではなく、グアムへの移転や、移転先の施設・インフラの整備等に係る巨額の費用なのではないかと思われてならない。

 実際、このロードマップの段階で、総額102.7億ドルのうち、60.9億ドル(当時のレートで約7000億円)を支出することとされている。

 しかも、「日本は、これらの兵力の移転が早期に実現されることへの沖縄住民の強い希望を認識しつつ、これらの兵力の移転が可能となるよう」( “to enable the III MEF relocation, recognizing the strong desire of Okinawa residents that such force relocation be realized rapidly” )と、さも一義的には日本の問題であり、日本のための措置であるかのような、日本のための措置に米国が協力してあげているかのような大義名分まで記載されている。

 つまり、米国は自らの海外部隊の再編を、沖縄問題にかこつけて日本政府の負担で行おうとしているだけなのではないか、ということである。

大きな変化が見られるのは
特に野田政権になってから

 もしそうであれば、体のいい(か悪いかは分からないが)ゆすりたかりの類と変わらないということだろう。

 こうした方向性は、在沖縄米海兵隊のグアム移転に関して取り決めた、「第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」(平成21年5月19日効力発生、麻生政権)においても確認されている。

 これに大きな変化が見られるのは、旧民主党を中心とする連立政権に交替して以降、特に野田政権なってからである。