大げさでもいいから
積極的な姿勢を見せるべき
不妊治療は、家計だけでなく夫婦仲炎上のトリガーにもなり得る。理由として多いのは、「夫が治療に消極的だった」という妻の訴えだ。
「どうしても妻の方が通院が多くなるため、治療に対する知識も妻の方が豊富になりがち」と話すのは、8年の不妊治療を経験した進藤玲さん(仮名、39歳)。
夫が「え? 排卵って何?」などと聞こうものなら、妻の逆鱗に触れ、血祭りに上げられてしまう。
「とにかく、大げさでもよいから治療に積極的に関わる姿勢を見せること」と進藤さんは力説する。
また、妻の愚痴への対応も注意が必要だ。「男はついつい問題解決の方向に行きがちだが、妻はただただ話を聞いてほしいだけ」(進藤さん)。病院帰りの妻には、“傾聴”のスタンスで迎えてあげよう。
不妊治療は一回でうまくいくケースはほとんどなく、お互いにナーバスになりがち。ある意味、本当の人間性が如実に表れるシチュエーションともいえる。
不妊治療経験者の団体「NPO法人Fine」の松本亜樹子理事長によれば、「結果が出れば万事解決ではなく、子どもを授かっても、治療中の諍いが原因で離婚する夫婦もいる」という。一方、子どもができなくても夫婦の絆が強固になるケースも少なくない。
夫が無精子症でTESE(精巣内精子採取術:精巣内部から精子を回収する手術法)を試みるも精子を回収できず、子どもを諦めたという20代女性は「男性のシンボルを傷つけてまで頑張ってくれた。それだけで十分」と夫への思いを語る。
不妊治療で夫婦仲炎上を防ぐための秘訣をまとめたのが次の図だ。