労災
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古今東西の映画を通じて、社会保障制度の根底にある考え方や、課題などを論じていく連載「映画を見れば社会保障が丸わかり!」。少し地味な分野かもしれませんが、第22回は労働衛生を取り上げます。(ニッセイ基礎研究所准主任研究員 三原 岳)

 従業員50人以上の職場に勤めている人は、「産業医」という医師に会ったことがあるかもしれません。労働安全衛生法という法律で配置が義務づけられており、労働者の健康管理などに当たるとされています。これは社会保障制度でいうと、「労働衛生」あるいは「産業保健」といった分野になります。

 では、労働衛生の目的は何なのでしょうか。そして、どんな政策が実施され、どんな影響を私の生活に与えているのでしょうか。寅さんシリーズのセリフ、吉永小百合が出演した青春映画『風と樹と空と』『いつでも夢を』などを題材に、その必要性と歴史的な変遷を考えてみます。

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 寅さんシリーズで知られる『男はつらいよ』は、1969~95年まで全48作が製作された名作です。映画は毎回、「フーテンの寅さん」こと車寅次郎(渥美清)を中心に、人情味と旅情あふれるストーリーのほか、「マドンナ」と呼ばれる女優との失恋話が展開されます。労働衛生に関する部分は、74年に公開された第14作、『男はつらいよ 寅次郎子守歌』に登場します。