「消滅可能性都市」からの脱却

タワマン化がさらに加速する「東池袋」は豊島区の救世主豊島区役所と一体化した「ブリリアタワー池袋」(南池袋二丁目)は、躍進する「東池袋」駅周辺のシンボルに

 東京メトロ有楽町線「東池袋」駅周辺は、豊島区最大のタワーマンション街に変貌を遂げた。現在も新たな再開発物件の工事が進み、名実ともに区の中心地となりつつある。

 4年前、東京23区で唯一、日本創成会議によって「消滅可能性都市」とされた豊島区は、それを警鐘と受け止め、本腰を入れて人口維持・地域活性化に取り組むようになった。

 単身者の流動性の高さが特徴だった人口構造を、子育て層を呼び込むことにより、持続発展都市に組み替えていくことが主眼となる。

 池袋のランドマークといえば、40年前に開業した60階建て・高さ240mのサンシャインシティだが、今では周辺にできた再開発事業によるタワマンが目立つ。子育て層も多く暮らすこうしたタワマンは、「持続可能性都市」を目指す豊島区にとっては、まさに救世主のような存在でもある。

 行列が絶えなかったもりそば(つけ麺)の名店「東池袋大勝軒」(2007年閉店)跡地近くにはアウルタワー(52階建て)が、豊島区立中央図書館のあるライズシティ池袋にはエアライズタワー(42階建て)がそれぞれ立っている。後述するブリリアタワー池袋とともに、いずれも「東池袋」駅直結のタワマンだ。さらにもう1棟、都電荒川線「東池袋四丁目」停留所にも近い、現在閉鎖中の4番出口直結タワマン(36階建て)の建設工事も始まった。

タワマン化がさらに加速する「東池袋」は豊島区の救世主再開発工事中の造幣局跡地から見た東池袋四丁目再開発地域。池袋のランドマーク「サンシャインシティ」をしのぐ存在感のタワマン2棟(左)。「東池袋」4番出口直結タワマンの建設工事現場付近(右)。