もちろん、専門職である税理士は、税務・財務会計のスペシャリストとして節税相談や税務調査などの場面で、とても頼りになる存在です。しかし月次の記帳訪問では、穏やかにお互いが歓談しているように見えても、腹を割った話し合いの場が持てない関係性なのだとしたら、コストと時間がもったいないです。

 しかしながら、そもそもの税理士事務所の存在目的とはなんでしょうか。Aさんが発した“税務調査”や“役員らの税務相談”の場で頼りにするばかりではなく、前述したように、費用対効果をしっかりと見据え、外部のコンサルタントだからこその立ち位置で、自社の経営面にもプラスに働くサービスを提供する役割でなければならないはずです。

 もちろん、企業文化や規模の違いにより、税理士に対して望むスタンスは多種多様でしょうが、税理士ならではのサービスを最大限に活用する策を検討し、税理士事務所側に求めることは、あらゆる規模、業種の会社にとって有効的な手段であり、税理士事務所側も顧問先のニーズに見合った支援策が提供できるため、双方にとっての生産性向上にも寄与するはずです。

 ただ、実践するにあたって注意すべき点は、経理部の部長など上層部のみで議論するのではなく、現場事情に詳しい経理部員や主任、そして彼ら彼女を率いる課長や次長など、それぞれの立場の人が、税理士事務所の先生やスタッフさんとの実際のやり取りの中で模索して、自社にとって有効なサービスを求める方が有効的なのは言うまでもありません。ここで、それぞれの階層の経理部員に応じた具体策を紹介していきます。

【実務担当者・主任クラス編】
実務担当者と業務改善を実践せよ

 経理部内のいわば実務担当者や主任クラスに位置する人は、税理士事務所の先生よりも、どちらかと言えば事務所の職員の方と接点を持つことが比較的多いでしょう。たとえば、経理部内の一担当者が、日々の仕訳データ入力や経理処理について、何かしらの不明点や相談事が生じた際は、近くにいる上司よりも同世代で話しやすい税理士事務所の職員の方に尋ねるシーンは珍しくありません。