仮にTOPIX連動のインデックスファンドしか保有していないということであれば、それはパッシブ運用というより、「日本」という世界の中のごく一部の市場にのみ投資しているアクティブ運用といえるだろう。

 パッシブ運用のバイブルといえば、バートン・マルキール氏の『ウォール街のランダムウォーカー」や、チャールズ・エリス氏の『敗者のゲーム』があるが、それらはいずれも米国で出版された本だ。世界の市場に占める北米市場の割合は50%以上だから、「米国市場のインデックスファンドに投資すること=パッシブ運用」と読み替えてしまいがちになるのは分かるが、それとて決して同一というわけではない。

 本当の意味で、パッシブファンドによる適切な分散投資を目指すのであれば、単一マーケットのインデックスファンドを購入するだけではあまり意味がなく、全世界のマーケットに対し、その市場規模や経済規模でウエイトづけされたインデックスファンドを購入するのが、最も合理的だろう。

運用の本質と違いを
理解した上で投資を

 筆者自身は自分でアクティブな運用をするのが大好きなので、資産運用の中心は個別株式への投資だが、投資信託については全世界の株式に投資するパッシブファンドへの投資がほとんどだ。昔と異なり、今は日本株、海外先進国株、海外新興国株といったジャンルごとのインデックスファンドが低コストで購入できるようになってきたので、それらを自分で組み合わせることができる。

 さらには、地域や国ごとの市場規模や経済規模に合わせて、自動的に投資配分を決めるファンドもある。これなら1本で世界中の株式市場に投資することが可能となる。もちろん、運用哲学やファンドマネジャーの力量などを期待し、アクティブファンドを購入するのもかまわない。それは個人が決めることだ。

 大事なことは、それぞれの運用の本質と、その違いを正しく理解した上で投資をすることだろう。

(経済コラムニスト 大江英樹)