ブラック企業が“ホワイト化”していくことも期待できる。ブラック企業の社員が容易に転職先を見つけられるようになると退職者が相次ぐため、ブラック企業がホワイト化しない限り存続できなくなるからだ。

外国人労働者の受け入れは
日本人労働者に不都合

 ところが、外国人労働者が大量に流入してくると、労働力不足が解消されてしまうため、労働者は失業のリスクにさらされ、非正規労働者の時給も上がらなくなり、消滅しかかっていたブラック企業も復活してしまうかもしれない。

 ちなみに読者の中には、外国人労働者が日本人労働者より安い賃金で働くと考えている人もいるだろうが、本稿では日本人と同じ賃金で働くことを前提として考えている。それでもなお、外国人受け入れは日本人労働者を貧しくする。

 例えば、労働者を募集している企業が100社あり、働きたい日本人労働者が50人いるとすると、100社が50人を争うから、時給は上昇していく。しかし、そこに50人の外国人労働者が加わると、労働力不足が解消してしまうので、労働者の賃金は今まで通りとなり、上がるはずだった賃金が上がらなくなってしまう。

 企業経営者としては、「外国人労働者を受け入れないと、労働力不足が深刻化するので、日本人労働者の賃金を引き上げなければならない。それは嫌だから外国人労働者を受け入れてほしい」と政府に要請しているのだが、それは日本人労働者には受け入れられない話だろう。

 労働者も労働組合も、労働者の味方を標榜している政党も、なぜ大声をあげて反対しないのであろうか。不思議でならない。