東京五輪と交通インフラの関係
2020年の東京五輪で東京の交通インフラはどう進化するのか Photo:PIXTA

視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。

東京の道路は
どうしてこんなに運転しづらいのだろう?

 車の運転が得意ではない私にとって、東京で車を運転するのは苦痛以外の何物でもない。

 まず、東京には真っすぐな道路がほとんどない。曲がりくねった道が多いので、どの方角に向かっているかわからなくなることもしょっちゅうだ。

 また、環七通り(東京都道318号環状七号線)や環八通り(東京都道311号環状八号線)には立体交差がたくさんある。うっかり立体交差に乗ってしまい、曲がるべきところで曲がれないこともある。

 さらに、首都高(首都高速道路)に乗る際、ランプからの合流部分に加速車線がほとんどなく、本線を走ってくる車がよく見えない場所がある。そこでは、バンジージャンプでもするかのように、「いまだっ!」とアクセルを踏んで本線に飛び込まなければならない。

『オリンピックと東京改造~交通インフラから読み解く』
『オリンピックと東京改造~交通インフラから読み解く』 川辺 謙一 著 光文社(光文社新書) 800円(税別)

 首都高における難所のきわめつきは、2つの路線が合流してすぐ分かれるジャンクションだ。他の路線からこちらに乗り換える車と交差するようにして車線変更をしなければならない。

 今まで一度も事故を起こしていないのは、奇跡でしかないと思う。

 同じ東京のインフラでも、鉄道はまだいい。混雑さえ我慢すればとても便利だ。だが、道路はとにかく不便。しかも、いつも渋滞している。

 東京という都市は、なんでこんなふうになってしまったのだろう。

 本書『オリンピックと東京改造』は、1964年のオリンピック・パラリンピック東京大会(以下、2020年大会を含め「東京五輪」と表記)をきっかけに、幹線道路をはじめとする東京の交通インフラが、どのように問題を解決しながら姿を変えてきたかを読み解く。そしてその上で、2020年東京五輪を見越した将来像を探る。