オンラインサービスで
ギター初心者つなぎ止め

 新聞が配達されていた頃、読者が何を読んでいるのか新聞社は知ることはできませんでした。しかし今、読者は何が好きで何が嫌いなのか、新聞社は知ることができます。これはまさにNetflixがやっていることで、新聞社や雑誌社で同じことができないという理由はありません。

 さらに言えば、新しい顧客をインターネット上で獲得することもできます。紙媒体の頃は、物理的な制約のために顧客が限られていました。しかしThe New York Timesは今、ニューヨークに留まらずまさに世界的ブランドとなっています。また、デジタルでは印刷も輸送も必要なく多額のコストをカットできます。

――企業のCEOやリーダーたちは、いかにしてサブスクリプションの変化に対応すべきでしょうか。

 ギターメーカーのFenderに関して面白い話があります。これはスマートギターなどIoT(モノのインターネット)に関する話ではありません。ギターを買った際にチューニングアプリケーションと、月額約20ドルで演奏を教えてくれるオンライン学習サービス「Fender Play」が付いてくるのです。

 これがポイントです。Fenderの売り上げの約半分は初めてギターを購入する初心者で、その90%が1年以内にギターに触るのをやめてしまいます。ただ、Fender Playに加入した人たちはそうなりにくい。2週間ログインしていない人には、例えば「U2」の動画と共に通知が届きます。「あなたのレベルでこの曲が演奏できますよ」と。昔のようにただギターを売るだけならば、できなかったことです。

 このように顧客との継続的な対話を持つことで、1年後に90%の人がやめるという数字を、10%減らすだけで、売り上げを倍増させることができると同社のCEOは語っています。

>>(下)は11月28日(水)以降に公開予定です。